「ダーウィンの悪夢」 フーベルト・ザウパー監督の2004年フランス・オーストリア・ベルギー合作作品。タンザニアのビクトリア湖で獲れるナイルパーチという白身魚をめぐる沿岸の村や人々の生活の変貌をインタビューで構成したドキュメンタリー映画です。
オンボロ巨大輸送機の柄が悪いロシア人パイロット、パイロットたちを相手にする娼婦たち、発泡スチロールを燃やしてその煙でラリるストリート・チルドレン、魚の加工場から廃棄されるアラを集め、蛆だらけになって空揚げにする人々、戦争を求る警備員・・彼らが重い口を開きます。
実はパーチをヨーロッパと日本に運ぶ輸送機は、ヨーロッパからの武器密輸に携わっている疑惑があります。密輸とアフリカ内戦と貧困の構造を告発しようとする作品製作は命がけだったといえましょう。相手が巨大な国際組織、政府が相手だからです。
タンザニアへは膨大な援助が送られ、タンザニアから膨大なナイルパーチが毎日送り出され、そのタンザニアで飢餓が発生しています。アフリカでは内戦がやみません。
ナイルパーチはスズキの代用魚としてスーパーで切り身が売られているそうです。
渋谷シネマライズのみですが今月半ばから全国公開です。