ワタシはこのことばが好きなのだが、使ってはイケナイといわれて久しい。
ときどきバンドの練習で
「南洋土人の感じで・・」なんて言うとメンバーが
「コラコラ、こうせい君・・・」と指導をイれてくれる。
今日ある本を読んでいて、ご存知「水木しげる」さんが次のように書いていて、溜飲が下がり膝を打つ思いだ。
“土人“という言葉はことばは侮蔑的な意味で使われることが多いということだが、ぼくは、彼らを、文字通り、土とともに生きている素晴しい“土の人“という尊敬の念で“土人“と呼んでいる。
本当は現地人の村と書かねばならないが、家が5,6軒で村では感じが出ないので、あえて“土人部落”とする。別にばかにしているわけではない。むしろ尊敬しているのだ。
水木しげるさんは想像を絶するまさに地獄絵の戦場で片腕も失ったが、「兵士」にならず「人間」を貫いた立派な人だ。
頻繁に兵営を抜け出して
“土人部落”で楽しく過ごし、帰るといつも古兵からビンタを喰らいつづけた。そんなのは大したことではない、と水木さんは語っている。
戦場で書いた貴重なスケッチとともに水木さんの話しをきけるこの本はおすすめだ。
「水木しげるのラバウル戦記」ちくま文庫