遅ればせながら、といってもまだロードショー上映中であるが「嫌われ松子の一生」を観た。心の底から主演の中谷美紀さんには「お疲れさまでした」とお背中を流して差し上げたいと思う。
ポスターや予告編がポップでキュートだったから、きっと松子はしたたかに逞しく「七転び八起き」で女の人生を・・・・と思っていたらとんでもなかった。本編の松子の人生は「七転八倒」「七難八苦」そのものである。そもそも初めから紙が破れている「金魚すくい」のようで、次から次へと全くもって救いようがない。娯楽映画ならどっかでちょこっとでも観客をほっとさせて欲しいものだが中島哲也監督は全く無頓着だ。ラストシーンの松子はあまりに「浮かばれない」ので、俺は松子の霊はいつまでも三途の川を渡れないと思う。
随所にちりばめられたギャグはとても冴えている、脇を固めた名役者陣も存在感がバッチリだ。デジタル・カラー・エフェクトも面白い。が、とにかく「救いようがない」「浮かばれない」ハナシであった。
ところで挿入歌がなかなかイカしている。昔だったらサウンドトラックのレコードを欲しくなるだろう。でも浮かばれない松子を思い出したくはないなぁ・・・
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