歌声喫茶 潜入

先日、ついに「歌声喫茶」に入ってみた。新宿の老舗だ。
「歌声喫茶」といえば60年代の安保粉砕やゼンガクレンやゲバルトであり反政府であり革命である。以前から気になっていたのだが入る勇気が無かった。

c0018561_108571.jpg俺の想像はこうだった。

入店したとたんトルストイのようなヒゲズラのオヤジが、久しぶりに会った親戚の叔父さんのように肩を組んできて、「さあ呑もう!」と俺にウオッカのグラスを手渡す。すこぶる乱暴である。驚いているとあっという間に「歌う善男善女」に取り囲まれてしまっている。みんな統一的満面笑顔、小学生のときキタムラ君に無理やり日曜学校に連れて行かれたときと同じ状況だ。よくみると手に署名用紙を持っていると似合いそうな人々である。振り返るとビックリ。「ハラショー!!」と叫ぶコサックダンサーズがドドドと店内に入ってきた。体を揺らしながら着実に俺との距離を詰めてきている。c0018561_1092850.gif・・・これはやばい・・・コーラス隊とダンサーズのテンションもますます高揚してきた。もしや、これはイニシエーション・・・う、マズい、このままでは・・・ようし、この一杯だけ頂いて即刻脱出だ。「ゴクリ」その途端、うお何だぁぁぁ!!沸き起る「マンセー!!」「マンセー!!」「マンセー!!」そしてなんと俺にスポットライトがーっ!うわぁ、くす玉も頭上で割れたようである。紙ふぶきが舞っている。一気に店内は祝祭のピークに達し、あっという間に「村上同志」が誕生しているではないか。・・もう戻れない・・店内にインターナショナルの大合唱が響き渡り、どこに隠れていたのか、おなじみの面々、そう交番に貼ってある過激派の指名手配犯人たちが次々におれに握手を求めてくる。・・・これが「歌声喫茶」なのか・・・「地下生活者」なのか・・もう戻れないのか・・さよならBBB、さよならみなさん・・歌うしかない。やけくそだぁ

さてさて、行ってみたらまったくの居酒屋である。6階にある店だが窓が大きく開放的、照明も明るい。大きな社員食堂のような感じでもある。喫茶といってもビール、サワー、奴、焼き鳥、ピザ、鳥唐、サラダをはじめメニューは豊富。水曜の19時過ぎだったが50人ほど入る店内は八分入り、これから混むのだろうか。落ち着いた感じの年配者が多い。トルストイはいなかった。しばらくするといよいよ「歌声タイム」が始まった。テーブルに歌集が置いてありリクエストカードに曲を書いて店の人に渡す。すると順番にステージで生演奏してくれる仕組みだ。ピアノとアコーディオンが基本でドラムやベースも置いてあった。リクエストした人はステージに上がって歌ってもいいし上がらなくてもいい。その場合は店員が歌ってくれる。店員の永井さんという女性は若くて飛び切りの美人だ。他の客も自席で思い思いに伴奏にあわせて歌う。歌わなくてもいいが知っている唄だと歌いたくなるもんだ。俺も小さく歌った。それだけであるが意外と楽しい。肩を組んで輪になってというのも無かった。俺の想像していたことは何一つ無かった。よかった。
歌われている曲であるが「カチューシャ」とか「革命の歌」とか「ピロシキ」とか「黒いキャビア」と思っていたが、人気1位が「アメイジング・グレイス」、2位は忘れたが3位は「涙そうそう」ということで意外だ。「歌は世につれ世は歌につれ」である。わがBBBメンバー全員で近いうちに探訪したいと思う。
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by bbbrothers | 2005-10-28 22:21 | 音楽の話題
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